史上最大の「逆転賞金女王」なるか 女子ゴルフ、7248万円差が…

渡辺芳枝
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 女子ゴルフのTOTOジャパンクラシックは7日、滋賀・瀬田GC北(6616ヤード=パー72)で無観客で最終ラウンドがあり、賞金ランキング2位の古江彩佳が3バーディー、ノーボギーで通算16アンダーとし、前日からの首位を守りきった。今季6勝目で、アマチュア時代を合わせてツアー通算7勝目。21歳164日での7勝は、宮里藍(19歳330日)に次いで2番目の年少記録となる。

 賞金ランキングトップの稲見萌寧が3打差の2位。2位でスタートした上田桃子は六つのボギーが響いて4位。渋野日向子は7位だった。賞金ランキング3位の小祝さくらは10位、全米女子オープン優勝の笹生優花は22位。

3300万円獲得の古江、強さは

 ドライバーの平均飛距離231ヤードはツアー60位。それでも、身長153センチの古江彩佳が強いのは、「安全第一」だからだ。球がグリーンに乗ってから3打以上要する確率は、驚異の1・9%でツアー最少だ。

 「パーセーブは本当に大事。一つでもボギーを打つと隙を見せる」。傾斜の強いグリーンで、難しい下りのパットは徹底回避した。最終ラウンドで打った15回のパーパットはすべて1メートル以内、4日間で3パットは1回だけだった。

 「古江ちゃんは本当にミスしない」と、追い上げを逃した稲見萌寧も脱帽だ。

 その稲見と古江の賞金女王争いは、一気に熱を帯びてきた。終盤のトーナメントで最高額となる賞金3300万円を古江が得たことで、トップの稲見に397万円差まで迫った。

「気にしない」って言ってたのに…涙

 「賞金女王のことはあまり考えない」と古江は言い、稲見も「そこまで気にしていない」と強調する。

 本音ではないだろう。

 東京五輪出場を争った際も、ともに「五輪は意識していない」と言い張ってきた。だが代表が決まった直後、稲見は「皆さんをだましていました」と記者に頭を下げ、「実はめっちゃくちゃ出たかった。自分を装ってでも、目の前の試合に集中しようと言い聞かせていた」と打ち明けた。一方、代表入りを逃した古江は「五輪のことを考え過ぎて、自分のゴルフができなかった」と泣いた。

 新型コロナの影響で2020~21年が統合された異例のシーズンも、残り3試合。最大7248万円あった差を古江がひっくり返せば、過去最大の「逆転女王」になる。(渡辺芳枝)

今季の獲得賞金ランキング

1位 稲見萌寧(22) 2億3457万円

2位 古江彩佳(21) 2億3060万円

3位 小祝さくら(23) 1億8148万円

4位 西村優菜(21) 1億7117万円

5位 西郷真央(20) 1億6479万円

(TOTOジャパンクラシック終了時点。カッコ内は年齢)

過去の主な逆転賞金女王

2009年 横峯さくら 4390万円差(諸見里しのぶ)

1994年 平瀬真由美 3990万円差(塩谷育代)

2019年 鈴木愛 3817万円差(申ジエ)

(カッコ内は逆転した相手)

元賞金女王・上田桃子「こういう終わり形は…」

 2位の稲見萌寧 「(今大会は)自分がダメだったわけではなく、古江ちゃんがうまかった」。22歳にして、生涯獲得賞金は3億円を超えた。

 4位の上田桃子 「風に悩みながら打つうちに、スイングが分からなくなってしまった。こういう終わり方は悔しいな」

 22位の笹生優花 全米女子オープン優勝後、初の日本ツアーを終え、「本当に楽しく過ごした1週間。(結果は)しょうがないですね。そういう時もある」。

 7位の渋野日向子 「まだまだ伸びしろがあると感じた4日間。(残りの試合も)流れを切らさず、良い位置で終えたい」