アウトサイダーVS権力と闘う検事 韓国大統領選、2人の個性派
ソウル=鈴木拓也 ソウル=神谷毅
来年3月に迫った韓国大統領選をめぐり、進歩(革新)系与党「共に民主党」と、保守系最大野党「国民の力」の候補が決まった。ポスト文在寅(ムンジェイン)となりうる2人の人物像に迫った。
与党「共に民主党」 李在明氏 貧しさに打ち勝って弁護士、政治家に
週末の6日、「共に民主党」の大統領選候補、李在明(イジェミョン)・前京畿道知事(56)は、ソウル市内で若者との懇談に臨んだ。マンション価格があまりに高く、自分たちにはとても手が届かないと嘆く参加者に対し、こう大風呂敷を広げた。
「想像できないほどの大規模な公共住宅を供給する計画を持っている。韓国社会の最も脆弱(ぜいじゃく)な階層である青年たちに、まずは与えよう」
首都圏のマンション高騰は、有権者の最大の関心事の一つだ。この発言の4日前には、「国民に苦痛と挫折感を与えた」と謝罪し、与党候補ながら文在寅政権の失策と断言してみせた。大衆の心をつかむためには言葉を選ばない。「ポピュリスト」とも言われるゆえんだ。
李氏とはどのような人物なのか。李氏は10月10日に党の大統領選公認候補に選出された後のあいさつで、自身をこう称した。
「中学、高校もろくに通えなかった。組織も地縁も、国会議員の経歴もないアウトサイダーだ」
1964年、韓国南東部の慶…