サザエさんの幸せな家庭「見るのは地獄」 虐待被害者ら経験語り合う

小林恵士
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 虐待の被害者が自身の経験を語り、市民らと対策を話し合うイベントが、東京都多摩市で開かれた。参加者には虐待を経験した人も多く、地元市議らも含めた約30人が虐待防止策について意見を交わした。イベントは、21日に新宿でも予定されている。

 ボランティア団体「パワチル都下」の主催。多摩市のイベントは3日にココリア多摩センターであり、30~50代の4人が体験を語った。幼い頃から殴られ、全裸で家の外に出されるなど身体的な虐待を受けた被害者は「(幸せな家庭を描いた)サザエさんを見ることは地獄に近かった」。親に毎日怒鳴られたという50代の女性は「自分の子どもにも手を上げてしまい、虐待を連鎖させてしまった」などと口にした。

 それぞれ、成人後もフラッシュバックや自己肯定感の欠如などに苦しんでいる胸の内を明かし、「虐待は保護されて終わりじゃない」と説明した。

 4人の体験談の後、虐待問題に詳しいフリーライターの今一生さんを進行役に、「当事者目線で有効な虐待防止策」を議論。虐待されている子どもを自宅に緊急保護し、通報した上で児童相談所から業務委託を受ける「短期民間養護者制度」の創設や、自治体が「虐待してしまった親」を相談員として雇う制度などについて意見を交わした。「相談窓口の紹介を若者言葉で」などの提案も出た。

 新宿で21日にあるイベントの予約問い合わせはパワチル東京(lovectokyo2021@gmail.comメールする)へ。小林恵士