税理士50人が自主廃業 国税が不正の疑いで調査中に 懲戒逃れか?

中野浩至
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 脱税などの不正に関与した疑いで国税当局の調査を受けているさなかに自主廃業した税理士が、過去約10年間に全国で50人超に上ることが関係者への取材でわかった。懲戒処分を免れる目的もあるとみられ、国税当局は廃業後でも調査や処分を可能とするよう、税理士法を所管する財務省に制度の見直しを求めている。

 税理士法は不正を行った税理士に対し、戒告▽2年以内の税理士業務の停止▽税理士業務の禁止の3種類の懲戒処分を定めており、国税当局の調査を踏まえ、財務大臣が悪質性などから処分の重さを決める。処分の際には国税庁のホームページで氏名や不正内容が公表されるほか、最も重い「業務の禁止」処分を受けると、3年以内に税理士に復帰することはできない。

 しかし、処分は現役の税理士が対象で、調査中に廃業すると処分内容が公表されない。また、一度は廃業した税理士でも、税理士会に認められれば復帰が可能だ。国税当局は復帰後に調査を再開できるが、時間が経過すれば証拠が散逸し、不正の裏付けが難しくなる。

 関係者によると、こうした制度の抜け道を利用した「懲戒逃れ」が相次いでいるとみられる。処分を受けないまま業務を再開している税理士もいるといい、過去に不正を行っていたとしてもわからない状態だという。このため国税当局は、制度の見直しを財務省に求めており、今後の税制改正で議論される可能性がある。中野浩至