牛肉食べなければ森は守られる? アマゾンに行って見えた問題の根源

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岡田玄
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 目の前を歩く牛は、あばら骨が浮き出ている。本当に食用として育てられているのか、疑問が湧く。

 アマゾンの南西部を占めるブラジル・ロンドニア州。州都ポルトベリョ郊外を車で走ると、熱帯雨林を伐採してつくられた牧場が広がっていた。広大な敷地にぽつぽつと、やせこけた牛がいた。

 アマゾンは世界の熱帯林の半分を占める。貴重な森が切り開かれ、牧場にされていることに、気候変動対策が不十分だとして世界から批判のまなざしが向けられている。

 ブラジルは牛肉の輸出量で世界一を誇る畜産大国だ。だが、目の前の牛は貧相だ。すこぶるうまいと評判の隣国アルゼンチンの牛と比べるまでもなく、同じブラジルの南部で見たでっぷりと太った牛と比べても、アマゾンの牛は、肉としての商品価値が低そうだ。

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 牛肉生産のためにアマゾンが伐採されている――。そんな報道が欧米ではなされてきた。アマゾンを守るために、牛肉を食べるのをやめようというキャンペーンもある。確かに、やせた牛を見ていると、「貴重な熱帯雨林を伐採した結果がこれか」と、怒りとむなしさがこみ上げてくる。

 でも、とも思う。舌の肥えた先進国の人々に、この牛が受け入れられているのだろうか。

■牛を育てる本当の目的…

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