新型の燃料電池、ジェイテクトが試作 入手しやすい「ギ酸」を活用
三浦惇平
自動車部品大手のジェイテクト(愛知県刈谷市)は8日、有機酸の一種「ギ酸」を使った燃料電池の試作機を開発したと発表した。ギ酸は、他の発電用燃料と比べ、入手がしやすく、環境負荷が少ないとして、新たなエネルギー資源の一つとして期待されている。課題だった出力を引き上げ、国内初という50ワット級の試作機をつくった。
ギ酸は、樹脂などをつくる際に副産物として生まれる。酸素と化学反応させて、電力を生み出す。燃料電池は水素を使って発電する方式が実用化されているが、代わりにギ酸を使う。開発を担当した研究開発本部の斉藤利幸・上席主幹は「廃棄物からつくれるため、環境循環性が高い」と話す。
発電時に二酸化炭素(CO2)が生まれるものの回収しやすいという。斉藤氏は「人工光合成など、CO2を利用する技術も進んでおり、カーボンニュートラルにもつながる」と説明する。
一方で、課題は出力の低さだ…