巨額給付金 必要性や費用対効果は? 専門家から疑問の声も

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五郎丸健一
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 岸田政権が経済対策の柱として衆院選の公約に掲げた新たな給付金の検討が本格化している。家計と中小企業向けで、それぞれ数兆円の規模がとりざたされている。だが、新型コロナウイルスの感染拡大の最悪期から抜け出し、経済が回復しつつある今、政府が借金を元手に、巨額のお金を広く配る必要はどれほどあるのか。民間の専門家からは、疑問の声が出ている。

 新たな給付金は政権がアピールする「分配」政策の目玉。8日から対象や金額などの調整が本格化している。足元の経済情勢を踏まえ、SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「困窮する人や業種にターゲットを絞った支援は必要だが、対象が幅広いバラマキ的なやり方は不適切だ」とクギを刺す。

 国内総生産(GDP)は昨年4~6月期に年率約28%減と戦後最悪のマイナス成長に陥ったが、今年4~6月期には実額で落ち込み分の9割を取り戻した。失業率は3%弱に抑えられている。国内企業の経常利益も4~6月期は過去2番目の高水準だった。今年夏まで猛威をふるったコロナ感染は急減し、10月には飲食店への時短要請が解除された。経済活動は正常化に向かっており、景気回復のペースが強まる見通しだ。

 お金も民間にたまっている。SMBC日興証券の推計では、4~6月期に家計全体で35兆~42兆円の「過剰貯蓄」があり、国内の需要不足の規模を大きく上回る。国内企業が稼いだ現金収支も過去最高だったという。丸山氏は「経済全体で見れば、支出の原資は十分。今は需要が自然に戻っていく局面にあり、お金を広く配るのではなく、お金を使ってもらう方策を考える時期だ」と指摘する。

 だが、衆院選で与野党を問わ…

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