国は核燃サイクル継続強調 青森県知事は「理解と信頼十分と言えず」

土肥修一、安田琢典
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 萩生田光一経済産業相は8日、核燃料サイクル事業を手がける日本原燃再処理工場青森県六ケ所村)を視察した。青森県知事ら地元自治体関係者と会談し、政策の堅持を改めて強調した。

 核燃料サイクルは9月の自民党総裁選で見直しの是非が議論になった。萩生田氏は報道陣に「引き続き推進する方針に変わりはない。高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度の低減、資源の有効利用などの観点から推進する」と語った。10月に閣議決定したエネルギー基本計画では、政策の推進が盛り込まれている。

 萩生田氏は視察前に三村申吾知事や六ケ所村の戸田衛村長と会った。三村知事は「国民全体の理解と信頼が何より重要だが、いまだ十分とは言えない」と述べ、理解促進に向けた取り組みを国に求めた。

 核燃料サイクルは原発使用済み燃料からプルトニウムなどを取り出して再処理し、発電に使うしくみ。再処理工場は2022年度上期の完成を予定している。プルトニウムを大量に使える高速炉の原型となる「もんじゅ」はトラブル続きで廃炉が決まり、政策は行き詰まっているとの指摘もある。自民党総裁選では河野太郎氏が「早く手じまいすべきだ」と主張した。

 再処理工場は当初は1997年に完成する予定だったが、完成時期が25回も延期されている。建設費は当初の7600億円から約3兆円に拡大し、総事業費は約14・4兆円にふくらむ見通しだ。高速炉が開発されずに再処理が進めば、プルトニウムがたまっていく。核兵器の原料にもなるため、国際的な批判が強まる恐れもある。プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を通常の原発で使うプルサーマル計画もあるが、あまり活用されていない。(土肥修一、安田琢典)