関西電力の金品受領問題とは? 発覚の経緯や訴訟の現状は

松浦祥子、浪間新太
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 関西電力の元役員らが、原発のある自治体の元助役から多額の金品を受け取るなどした問題で、告発を受けて捜査していた大阪地検特捜部は9日、元役員9人全員を不起訴とした。関電が長年抱えてきた問題とその経緯について、Q&A方式でまとめた。

Q 金品受領問題とは

A 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役(故人)や、元助役の関連会社から金品を受領していた問題。第三者委の調査により、関電元役員ら計83人が総額約3億7千万円相当の金品を受領していたことが明らかになった。元助役が高浜町役場を退職した1987年から30年あまり続いていた。市民団体はこのうち、岩根茂樹前社長と豊松秀己元副社長について、会社法における「取締役等の収賄罪」に当たるとして大阪地検特捜部に告発した。

Q 役員報酬の補塡(ほてん)問題とは

A 東日本大震災以降の電気料金値上げに伴い、経営悪化の責任をとって減額していた関西電力の役員報酬について、2015年、森詳介会長(当時)らが取締役会に諮らずに補塡することを決めた。この決定により、16年7月~19年10月、退任した役員への嘱託報酬という形で元役員18人に計2億5900万円が支払われた。市民団体は、森元会長と八木誠前会長、八嶋康博元監査役の3人が補塡を決定し、会社に損害を与えたとして、特別背任容疑で大阪地検特捜部に告発した。

Q 問題発覚の経緯は

A 18年1月、金沢国税局税務調査で、原発工事に関わった土木建築会社への強制調査が行われ、同社から元助役に約3億円が流れ、その一部が関電役員に渡っていたことが国税当局に知られた。関電の役員は受け取った金品のうち、手元に残っていたものを元助役側に返却。所得の一部について修正申告し、所得税の追徴分も納付した。社内調査委ができたが、調査内容が公表されることはなく、翌年9月の報道で金品受領問題が明るみに出た。

Q 告発したのは

A 市民団体「関電の原発マネー不正還流を告発する会」が、元役員らを大阪地検特捜部に刑事告発した。同会が全国から募った3千人以上が告発人となっている。19年12月に最初の告発状を提出した。代理人の河合弘之弁護士らは、関電の現旧役員らに損害賠償を求めている株主代表訴訟の原告側の代理人弁護士も務めている。

Q 株主代表訴訟とは

A 株主が会社の代わりに役員などの責任追及をするために提起する訴え。関西電力は2020年6月、八木前会長ら旧取締役5人に計19億3600万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたが、関電の株主の一部は、「責任追及の範囲が狭い」と主張。被告と請求額を増やして、現旧の取締役や監査役計22人に計約92億1千万円の損害賠償を求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こした。(松浦祥子、浪間新太)