コロナ禍で1年以上の長期失業者18万人増 足元では改善の兆しも

山本恭介、橋本拓樹
[PR]

 仕事を探しているのに1年以上見つからない長期失業者が7~9月期は66万人いて、前年同期より18万人増えたことが総務省の調査でわかった。コロナ禍の影響とみられる。10月は緊急事態宣言が解除され、事業活動を再開する動きが強まっているが、雇用の改善が伴うかに注目が集まる。

 総務省が9日発表した7~9月期の労働力調査によると、働く意欲があるのに仕事に就けない完全失業者のうち、その状態が1年以上にわたる長期失業者は66万人。4~6月期の72万人よりは減った。ただ例年4~6月期は3月期末の雇い止めなどで失業が増えやすい要因がある。同省は、コロナ禍で失業が長引く傾向は続いているとみている。

 7~9月期の長期失業者が完全失業者全体に占める割合は34・6%で、コロナ下では最も高くなった。

 長期失業者は2008年のリーマン・ショック後は一時120万人を超えた。それより失業が少ないことについて、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長は「国が失業者が増えないように(企業に休業手当を払うよう促す)雇用調整助成金を拡充してきた」影響とみる。失業が長引きがちなのは「売り上げが伸びない企業が新たな雇用を抑えており、失業者が新たに働きにくい状況が長期化している」と分析する。

 ただし足元では企業が採用を活発化させる動きもある。人材サービス会社のエン・ジャパンによると、10月の求人数はコロナ禍前の19年との比較で99・7%と、ほぼ同水準だった。営業を再開しようとしている飲食をはじめ、物流、IT、コンサルタントといった業種での採用意欲が旺盛という。同社の担当者は、「(産業全体で)コロナ禍以前のように人手不足が加速するのは来春以降ではないか」とみている。(山本恭介、橋本拓樹)