都立校制服「性別関係なく選ばせて」 トランスジェンダーら署名提出
東京都立校で性別に関係なく制服を選択できるよう求める1万1579筆分の署名が9日、都教育委員会に提出された。署名活動の中心を担った大学1年のカエデさん(18)は「性別の押しつけや、当然とされている前提を考え直すきっかけになれば」と語った。
トランスジェンダーのカエデさんは、性自認が女性。都立の中高一貫校に在籍中の2020年11月、オンライン署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で活動を始めた。
カエデさんは署名提出前に記者会見を開き、性別と結びついた制服をめぐる苦しい経験を語った。中学進学の際、地元の学校はセーラー服と学ランだったために避けたこと。「男女が一緒のブレザーの方がまし」と選んだ中高一貫校でも、スカートをはきたくてもはけなかったこと。「お前は男だ。こうあるべきだ、と毎日強制されているように感じた。学校に行けなくなる人もいる。前時代的な性規範を再生産している」
高校ではトランスジェンダーであることを周りに伝えて生活した。制服がなくなり、好きな服装で登校できるようになった。制服選択の自由を求める活動は、まずは校内で教員への働きかけから始め、生徒から賛同を集めた。より広く問題を共有したいと、都教委への提出を目標に署名活動をしてきた。
カエデさんは、制服問題が、社会にある様々な性別役割の押しつけについて考えるきっかけになることを願う。「そういうものがなくなっていってほしい」(関口佳代子)
【視点】まだ同性愛結婚どころか、夫婦別姓でさえ認めない日本はジェンダー関係の議論がだいぶ遅れているイメージがある。が、これからの数年でそれが一気に変わる気がする。そもそも西洋と違って、宗教の基づいた堅い性別概念もなければ、ゲイやトランスジェンダーに

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