富士山噴火に備え、火山灰の上で走行試験 富士吉田市

河合博司
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 富士山の噴火に備えようと、山梨県富士吉田市の富士北麓(ほくろく)公園の駐車場で4日~7日の4日間、火山灰を敷き詰めた道で緊急車両や大型観光バス、乗用車などの走行試験が行われた。火山灰が降って積もったとき、果たして車両は動かせるのか。取得した試験データを今後の研究に生かす考えだ。

 山梨県防災局の主催。県富士山科学研究所や国立研究開発法人・産業技術総合研究所など、火山防災の研究機関が参加した。

 サッカー場ほどの広さの駐車場に、傾斜2・5%と5%の坂道や平らな道が造られ、アスファルト舗装された。表面に、富士山鹿児島県桜島など、粒の大きさが異なる火山灰が敷き詰められた。厚さも1、5、15センチに変え、湿ったコースや曲線のコースも造られた。県防災局の担当者は「市街地の様々な走路を想定しました」。

 6日は地元住民の乗用車約70台が試走。家族4人で参加した富士吉田市の早川一則さん(45)は「火山灰が厚いとタイヤが埋まってしまう。雪道と同じで慣れが必要ですね」。富士河口湖町の遠池健一さん(51)は「アクセルをふかすと空回りし、タイヤが沈み込んでしまう。立ち往生して迷惑をかけてしまいそうなので、車の避難は無理だと思いました」。

 5日は、山梨、静岡、神奈川の3県と東京都から、防災関連の車、約100台が試走を繰り返した。警察、消防、自治体、病院、電力・ガス会社などの緊急車両や給水車、トラックなどで、運転手はコースで行き詰まった場合の脱出法も体験し、研究者がビデオで状況を撮影していた。

 県富士山科学研究所の吉本充宏主幹研究員(火山防災)によると、2000年の北海道の有珠山噴火や、頻発する鹿児島県桜島の噴火により、数センチの火山灰が積もっただけで車の走行が困難になるとわかっている。「今まで、噴火した際の避難手段は車の想定でした。試験を繰り返し、今後の避難計画の見直しに生かしたい」と話した。(河合博司)