エチオピアで現地の国連職員16人拘束 国連、即時解放呼びかけ
国連のデュジャリック報道官は9日、軍事衝突が拡大しているアフリカ東部エチオピアで、現地の国連職員16人が拘束されていると発表した。理由は明らかになっていない。国連は複数の職員と面会するとともに、同国政府に対して即時解放を呼びかけている。
エチオピアの北部ティグライ州では、政府軍と、ティグライ人民解放戦線(TPLF)による軍事衝突が1年以上続く。エチオピア外務省は9月末、国連職員7人が内政に干渉したとして国外撤去を命じていた。
デュジャリック氏によると、拘束先は首都アディスアベバの施設。16人とは別に、拘束されていた6人が解放された。職員がどの民族なのかについては回答を避けた。
エチオピア人権委員会は8日、非常事態宣言下で多数の市民が「民族を根拠に逮捕されているようだ」と伝えていた。今回の国連職員の拘束も、政府側がティグライ人を対象に実施した可能性がある。
ティグライ州では現在、状況が急速に悪化し、先月28日からは人道支援のためのスタッフの往来もできない状態が続く。国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は7日、同州を訪ね、人道支援者のアクセスを確保するよう地元当局に働きかけていた。(ニューヨーク=藤原学思)
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