鬼とは、煩悩とは 住職が「鬼滅の刃」に感じた仏教の世界観
人気漫画「鬼滅の刃(やいば)」のストーリーに仏教の世界観を感じた寺の住職が、漫画を題材に仏教を学んでもらおうと、本を書いた。その名も「『鬼滅の刃』で学ぶはじめての仏教」(PHP研究所)。社会現象にまでなった現代の人気漫画と、時代を超え今もなお受け継がれる仏教の共通点とは。
本を書いたのは北九州市八幡東区にある浄土真宗・永明(えいみょう)寺の住職、松崎智海さん(46)。これまでも、わかりやすく仏教を知ってもらうため一般の人向けの解説本を書いているほか、SNSなどを通じた幅広い発信に取り組んでおり、ツイッターのフォロワーは3万8千人。そんな松崎さんに、出版社から「わかりやすい仏教の本を書いてほしい」と声がかかった。
自身のYouTubeチャンネル「永明寺 楽しいお寺ch(チャンネル)」で、仏教の視点から漫画「鬼滅の刃」を解説した動画をいくつか投稿しており、動画の内容に新たに書き下ろしを加え、出版することになった。
「はやっているから」と何げなく手に取った漫画の中に、松崎さんが仏教を感じたきっかけは、お墓が出てくる場面。墓に「南無阿弥陀仏」と書かれていたことに引っかかったという。「多くの墓に書かれているのは故人の家の名前。でも、浄土真宗だけは『南無阿弥陀仏』と書くんです」と松崎さん。
たまたまなのかもしれないし…