上場目前のクーデター、呼び出された社長 「にしたん」で生きた教訓
藤田知也
新型コロナのPCR検査で一躍有名になった「にしたんクリニック」。提携する形でPCR検査に参入した西村誠司・エクスコムグローバル社長(51)は、かつて株式上場が頓挫した背景に、ある「クーデター」があったと明かす。そこで何を学んだのか。今後のPCR検査のニーズをどう見ているのか。
コロナ禍で一躍広まった「にしたん」のPCR検査。立ち上げを手がけたのは、あの「イモトのWiFi」の会社でした。挑戦の経緯や、これまでの経営の道のりを社長が語る全3回のインタビューの(下)です。関連記事の(上)(中)とあわせてお読み下さい。
――1995年に起業して、98年から海外渡航者向けの携帯レンタル事業を手がけてきました。
「創業3年目のとき、アメリカで飛行機が遅れて予定どおりに乗り継げず、約束していた友だちを空港で4時間も待たせたことがありました。こんな時に携帯電話があればと、そこで思いついたんです」
「携帯は日本では普及の途上だったので、アメリカで契約した携帯を、アメリカに行く人にレンタルすれば商売になるなと。当たる確証はなかったけど、とにかくやってみるしかないと前に進むだけでした」
――携帯レンタル事業は、少しずつ成長していったのですか。
「最初に跳ねたのは、大手電…