みかん畑でバイトしながら首位打者に 夢追う34歳は元甲子園球児

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山口裕起
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スポーツ好奇心

 野球のさわかみ関西独立リーグで今季、コーチ兼任の34歳が首位打者に輝いた。和歌山ファイティングバーズの生島大輔だ。全国の独立リーグを渡り歩き、10年目にして初めてタイトルを獲得した、自称「あきらめの悪い男」。単身赴任でバイト生活をしつつ、夢を追いかけている。

 10月26日に大阪市の南港中央野球場であったシーズン最終戦。4番右翼手で出場した生島は、3打席目にリーグ今季最多70本目となる安打を中前に運んだ。4チームで争うリーグ戦。今季は全47試合に出場し、打率3割9分3厘を記録した。無安打に終わったのは3試合だけ。夏場に左手親指を骨折したが、「コーチとしても、選手としても、離脱する選択肢はなかった。不細工でもいいから、グラウンドに立ち続けようと腹をくくった」とバットを振った。

 学生時代の球歴は輝かしい。大阪桐蔭高では、主将を務めた2004年に春の甲子園に1番遊撃手として出場。宮城・東北高のダルビッシュ有(現大リーグ・パドレス)とも対戦した。進学した早大では、東京六大学リーグ戦で5度優勝。卒業後の09年に社会人の強豪、JR東日本に入った。

 だが、どこか慢心している自分に気づく。「ハングリーさに欠けて伸び悩んでいた。もう一度、一から勝負したい」。3年目の11年に退社を決心し、関東や北信越を舞台とする独立リーグ、ルートインBCリーグの富山GRNサンダーバーズに入団した。給料は会社勤めしていた頃の半分以下になり、月10万円ほど。結婚し、娘も生まれ、無給のオフはスポンサー会社でアルバイトをして生計を立てた。「つらかったけど、新鮮だった。僕が勝負する場所はここや、と思った」

 それから3年で福島レッドホープスに移ると、18年に無給の関西独立リーグの和歌山へコーチ兼選手として移籍した。富山に家族を残し、和歌山県田辺市の月2万9千円、6畳のアパートで一人暮らしを送っている。

 コーチ手当をもらっているが、それだけでは家族は養えない。練習前に、みかん畑や梅畑の農家を手伝ったり、塗装業のバイトをしたり。練習を終えた夜は焼き肉屋で皿洗い。オフの期間は民宿で働いたこともあった。

 なぜ、そこまでして現役にこ…

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