輸入肉に異変、牛丼店は値上げ 焼き肉店は国産PR

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 リーズナブルで庶民の味方だった外国産肉に、異変が起きている。新型コロナウイルスの影響で、仕入れ価格が高騰しているためだ。牛丼店は値上げに踏み切り、焼き肉店は国産フェアをPR。唐揚げ店は経営努力で値上げを回避してきたが、肉の量が少ないカレーや親子丼の販売の検討を始めた。沖縄県内のコロナの感染はようやく落ち着いたが、世界のコロナ事情が食肉業界を直撃している。

 「コロナが落ち着いて半年ぶりに外食している。ようやくという感じです」。糸満市の会社員男性(26)は9日、妻、娘と市内の焼き肉店「肉御殿」を訪れた。

 注文したのは店の看板メニューの食べ放題。2千~4千円程度で、米国や豪州などの外国産牛やビビンバ、わかめスープなど60~120品目が楽しめ、地域住民らに人気がある。

 ただ、食べ放題は、輸入牛の仕入れ価格高騰の影響で、9月に150~300円ほど値段が上がった。妻は「外国産は安いイメージ。今後も値上がりが続くと来られなくなってしまう」と不安を口にする。

 牛肉の輸入価格は今春から上がり始めた。独立行政法人・農畜産業振興機構(東京)によると、輸入牛肉の冷凍(ショートプレート=ばら肉)は2016年度には584円(1キロ)だったが、今年9月には1093円(同)まで上がった。この影響で牛丼チェーン「吉野家」は、10月下旬に牛丼の値段を上げている。

 肉御殿でも大きな影響が出た。店を経営する食肉卸売り・小売会社「牛庵」によると、安い時に2千円(同)ほどだった輸入牛タンの仕入れ価格は、ここ数カ月で倍になっている。600円(同)ほどだった輸入カルビも1・5倍の価格まで上昇している。

 ただ、コロナの感染が落ち着き、ようやく客が戻り始めた今、販売価格を上げてしまうと再び客が離れかねない。店は食べ放題メニューは値上げしたが、単品メニューの価格は経営努力で据え置いている。

 代わりに、仕入れ価格が安定している国産牛をPR。定価の5~6割引きの特価でカルビなどが食べられる和牛フェアに力を入れている。玉城脩人店長(32)は「外国産は仕入れ価格が読めない。国産の仕入れ価格は安定しているので売りやすい」と打ち明ける。

 しかし、今後も値上がりが続けば、単品メニューの値上げも避けられなくなる可能性がある。玉城店長は言う。「このままの勢いだと、店の外国産メニューの価格が国産とそう変わらなくなるかもしれない」(沖縄タイムス)

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