多様な世界映す東京フィルメックス 新たな一歩と「同時開催」の課題

有料会員記事

佐藤美鈴
写真・図版
第22回東京フィルメックスの授賞式。左から、審査委員を務めた諏訪敦彦、小田香、観客賞を受賞した「偶然と想像」プロデューサーの高田聡、審査委員のウルリケ・クラウトハイムの各氏=東京都千代田区
[PR]

 7日に閉幕した第22回東京フィルメックス。今年はプログラム・ディレクター(PD)が交代し、新たな一歩を踏み出した。アジアの新鋭を中心に注目作を取り上げる姿勢を貫く一方、同時期開催の東京国際映画祭との関係を巡って課題も浮き彫りとなった。

 コンペ部門には10作品が参加し、最優秀作品賞には2作品が選ばれた。

 「見上げた空に何が見える?」は、ジョージア出身のアレクサンドレ・コべリゼ監督の長編2作目。偶然の出会いから恋に落ちた2人が別人となってすれ違い続ける姿を描きつつ、ジョージアの都市クタイシの市井の人々や日常の風景を慈しみ、祝福するようなまなざしで映した。

写真・図版
最優秀作品賞のアレクサンドレ・コべリゼ監督「見上げた空に何が見える?」

 審査員の小田香監督は「魔術のように突拍子もないフィクションは、現代において断ち切られた世界への信頼を再び回復させるために機能するだろう」と語った。

 同時受賞は、タイ出身のジャッカワーン・ニンタムロン監督の「時の解剖学」。ある女性の過去と現在が断片的に描かれ、青春や暴力、年老いた肉体といったイメージに国の歴史が重なり合う。

写真・図版
最優秀作品賞のジャッカワーン・ニンタムロン監督「時の解剖学」

 審査員で文化交流団体ゲーテ・インスティトゥート東京文化部のウルリケ・クラウトハイムさんは「現実と非現実が共存するところに誘われ、物語のかけらをつなぎ合わせてそれぞれの観点から捉え直すよう促される」と評した。

「困難の中 勇気あるチャレンジ」

 受賞は逃したが、インドネシ…

この記事は有料会員記事です。残り826文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!