強盗殺人の元技能実習生に無期懲役判決 夢持って来日からなぜ転落

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中村瞬
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 【群馬】前橋市富士見町で2020年9月、ホテル経営者の女性が殺害され現金が奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われたベトナム国籍の元技能実習生レ・チュオン・ズオン被告(31)の裁判員裁判の判決公判が10日、前橋地裁であった。山崎威裁判長は、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 判決によると、ズオン被告は20年9月10日午前9時40分~同50分ごろ、前橋市富士見町のホテル敷地内で、経営者の堀越つる子さん(当時71)の左肩を背後から刃物で刺して殺害し、事務所から現金5万5千円を奪った。

 公判では殺意の有無と、自首の成否に争点が絞られた。

 判決は、ろっ骨が切断され傷の深さが11センチ以上に及んでいることから、「人が死ぬ危険性の高い行為だとわかって行った」として、殺意があったと認定した。

 ズオン被告は事件の5日後、東京都品川区の交番に「群馬で人を殺しました」と出頭したが、その前の時点で、ズオン被告の指紋やDNA型が現場周辺に残されていたものと一致していたことから、「合理的根拠により、捜査機関は強盗殺人の嫌疑が極めて濃厚な人物とみていた」として、自首は成立しないとした。

 ズオン被告は事件の1週間前、大泉町から前橋市までの約40キロをタクシーで無賃乗車したとして詐欺罪にも問われていた。山崎裁判長は「支払う意思がなかった」として、詐欺罪の成立を認めた。

 山崎裁判長は判決言い渡しの後、「自分のしたことと向き合い、堀越さんの無念さや遺族の悲しみを一日も欠かさず考えて下さい」と説諭。ズオン被告はうつむいたまま、弁護人らに頭を下げて法廷を後にした。

ベトナムに妻と3人の子、なぜ凶行に

 公判でのズオン被告の証言などによると、ズオン被告は18年10月、ベトナムに妻と3人の子どもを残し、技能実習生として来日。出国の際、現地の送り出し機関への手数料など総額200万円の借金をしていた。

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