中国恒大、社債の利払いか 別の支払期日も迫り、綱渡り経営続く
北京=西山明宏
経営危機にある中国恒大集団が、10日に支払いの猶予期限が来た米ドル建て社債の利息1億4813万ドル(約170億円)を支払った模様だ。米ブルームバーグや中国メディアが11日までに報じた。猶予期限までに支払えなければ債務不履行(デフォルト)が確定していた。
社債の利払いは10月11日が期日だったが、同日までに支払えず30日間の猶予期間に入っていた。複数の債権者が10日までに利息を受け取ったと報じられる一方、債権者のドイツの企業が同日時点で利息を受け取っていないとして恒大の破産手続きを裁判所に申請する準備を進める意向を表明した。ドイツの企業がその後、支払いを受けたかは不明だが、度重なる支払いの遅延に債権者からの圧力は強まっている。
今月6日には別の米ドル建て社債の利息の支払期日が来たが、恒大は支払えずに猶予期間に入ったとみられる。また12月28日にも社債の利払い期日が迫る。恒大は資金調達のため資産の売却を急いでいるが、傘下企業の株式売却交渉が決裂するなど難航。創業者で経営トップの許家印氏が自宅を担保に資金を調達していると報じられるなど、綱渡りの経営が続く。(北京=西山明宏)