シャチやシワヒモムシも…「細かすぎる」ガイド本、今度は名港水族館

皆木香渚子
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 名古屋港水族館名古屋市港区)で暮らす生き物の特徴や飼育現場の舞台裏を紹介する「あまりに細かすぎる名古屋港水族館ガイド」(ぴあ)が発行された。昨年、東山動植物園のガイド本をつくった2人による水族館版だ。

 「ぴあ」中部支社の出版プロデューサー伊奈禎さんと地元編集プロダクションBASARAの吉田はぐさんは、昨年3月に「あまりに細かすぎる東山動植物園ガイド」を出版した。動物の家族関係や個体の性格をモノクロのイラストを中心に紹介する構成。好評だったことから、「あまりに細かすぎる」シリーズとして、名古屋港水族館ガイドを出すことになった。

 小さな生き物も多い水族館では、個体ごとの愛称が付けられた動物は、シャチなどの大型海洋哺乳類に限られる。愛称があり個体識別がしやすい生物は、個体ごとの特徴的な行動や性格を、前作同様、手書きのイラストで説明した。サンゴ礁や深海といった生息環境ごとに群れで飼育されている生き物は、アップの写真を使って紹介した。

 東山動植物園版に比べ、カラーページが多い。色彩が豊かな水族館の生き物の特徴を伝えるため、写真を多く掲載している。

 飼育生物の紹介だけでなく、飼育担当者の仕事内容や館内展示にも焦点を当てている。「進化の海」という骨格標本の展示コーナーを担当する神田幸司さん(45)は「館の展示には細部までこだわりがあり、ガイドブックで紹介できてよかった」と話す。

 たとえば、シャチの骨格標本の左側の肋骨をよく見ると、骨折して治った跡があるという。展示の説明にも記されていない情報だが、ガイドに盛り込まれた。「シャチ同士のケンカで折れたのかも。生きていたのだと実感が湧きます」

 南極近海に生息する腸のような見た目の生物シワヒモムシの採取時の様子など、飼育担当者から聞き取った専門性の高い内容も掲載している。

 取材した吉田さんは、マニアックな話を盛り込みつつも、前提知識がなくても楽しく読めるよう意識したという。「専門的な図鑑は作れないが、生き物たちのすばらしさをお客さん目線で伝えたい」という。

 「あまりに細かすぎる名古屋港水族館ガイド」は税込み1300円。全国の書店やネットで購入できる。(皆木香渚子)