「やりすぎる俳優」自認の内野聖陽 「何食べ」の演技が生まれるまで

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文・石飛徳樹 写真・伊ケ崎忍
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 近年、俳優が自らの属性と異なる人物を演じることに賛否の議論が起こっている。私個人は演じていいと考えている。免許もないのに医者になったり、黄色人種が古代ローマ人になったり、男性が女性を演じる歌舞伎やその逆の宝塚歌劇など、属性の異なる他人になることが芝居の醍醐(だいご)味というものではないか。

 「劇場版 きのう何食べた?」は中年に差し掛かったゲイのカップルの日常生活を淡々と描く。内野聖陽が演じるのは、弁護士の史朗(シロさん)を愛してやまない美容師の賢二(ケンジ)。マンガで人気に火が付き、2019年に連続ドラマ化された。

 「ゲイの男性を演じる時の、型にはまった表現はやりたくなかった。よく『誰かを参考にしたんですか』と聞かれるんですが、僕には何の事前のプランもありませんでした。役を作り込むのではなく、ケンジのハートから自然に出てくる言葉遣いやしぐさになっていればいい、と思っていました」

 属性の異なる人物を演じる時に俳優が陥りがちなのはパターン化だ。それは多様性の芽を摘み、差別の助長につながりかねない。「最初の頃は塩梅(あんばい)が分からず、神経を使いました。いわゆるオネエ言葉を強く出しすぎて、監督に『もう少し抑えて』と言われたこともありました」

 今回の劇場版の撮影では体が…

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