「にしたん」PCR検査、手がけるのは…「売り上げゼロ」から大逆転

藤田知也
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 「たん、たん、たん」と歌うテレビCMで有名になった、PCR検査サービスの「にしたんクリニック」。医療法人と提携して検査実務などを担うのは、海外用WiFi(ワイファイ)ルーター貸し出しサービス「イモトのWiFi」を手がけるエクスコムグローバル(東京・渋谷)だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大が直撃し、収益の柱だったルーター貸し出しは昨春、売り上げがほぼゼロに落ち込んだ。金策に走りつつ、世界中で感染者が爆発的に増えた昨夏、提携する医療法人とのタッグでPCR検査を手がけることを思い立った。

 検査機器や試薬の調達、臨床検査技師の採用などを急ピッチで進め、1カ月余りでサービス開始にこぎ着けた。WiFi事業のネット受け付けシステムやコールセンターの機能が検査サービスに転用され、ルーターの箱詰めなどを担当していたスタッフ数人が検査の補助役となったという。

 エクスコム社の西村誠司社長(51)は朝日新聞のインタビューで、「利用者を集めるのに大事なのは、ブランド力と信用力を高めること」と話した。テレビCMでの宣伝効果もさることながら、「オセロ」に見立てた独自の戦略で検査数を大きく伸ばした。今年8月期の売上高はコロナ前を上回り、過去最高の177億円に達する見込みだ。

 PCR検査という新規事業は、当初は「半年勝負」との見立てだった。いまは第6波の到来や陰性証明を求める流れも見込み、ニーズは「あと1年は続く」(西村氏)と予想しているという。(藤田知也)