後輩と並び「昇天ポーズ」ラオウ格別の一発でオリックスが日本S王手

佐藤祐生
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 (11日、プロ野球 オリックス・バファローズ2―0千葉ロッテマリーンズ)

 オリックスは前夜、エースの完封で初戦をとった。この夜は4番杉本裕太郎の一振りだ。

 0―0の六回2死から吉田正尚が投手を強襲する内野安打で一塁に出た。打球が右足付近に当たった相手先発の美馬学が降板し、2番手の東妻(あづま)勇輔に。杉本は交代直後の初球を逃さなかった。甘いスライダーをバットに乗せ左翼席へ。均衡を破った。

 ダイヤモンドを一周し、ベンチ脇に戻ると、お決まりの右拳を天に突き上げる「昇天ポーズ」。復帰した吉田正と並んで決めた。

 2学年下の吉田正とは青学大でも一緒に中軸を担った。2015年秋のドラフト会議でともに指名を受けたが、吉田正は1位、JR西日本に進んでいた自分は10位。2軍でくすぶり続ける間、後輩は主力に上り詰めていった。

 6年目の今季、力みのないスイングを習得するなどして覚醒し、3番吉田正、4番杉本の打順が定着した。優勝争いの正念場の9、10月、吉田正が相次ぐけがで離脱した。窮地で遅咲きの30歳は踏ん張った。

 「(吉田)正尚(まさたか)が戻ってきてくれると信じている。戻ってきてくれたらもっと強くなる」。32本を放って本塁打王となり、CS最終Sという舞台を整えて、後輩を待った。

 決勝点を2人でもぎ取ったのだから、格別だろう。お立ち台で呼びかけた。「正尚が試合に出てくれるだけで頼もしいし、勝てるという気持ちになる。明日も打ってください」(佐藤祐生)

田嶋、二塁を踏ませず

 オリックスの田嶋大樹は今季8勝のうち3勝をロッテから挙げた。相性の良さを買われて抜擢(ばってき)された先発マウンドで満額回答だ。

 初めてのCSには独特の空気が漂っていた。25歳の左腕が意識したのは投球のリズム。切れのある140キロ台半ばの速球をテンポよく投げ、散発の被安打3、二塁すら踏ませない。六回までゼロを並べ、その裏の杉本の2ランを呼び込んだ。

 「ワクワクした気持ちが強くて、意外と緊張しなかった。いい投球ができて幸せな気持ちでいっぱい」。77球と余力を残して降板したのは、今後の登板を見越してのこと。「まだCSは終わってないので、明日から練習したい」。お立ち台で気を引き締め直した。

 田嶋(オ) 6回無失点で二塁を踏ませず。「ワクワクした気持ちが強くて、意外と緊張せず打者に向かっていけた。直球も走っていた」

 中嶋監督(オ) 「どっちもなかなか点が入らない。今日も投手陣に苦しい思いをさせたが、それでも先に点をやらず、ものにできたのは大きい」

 美馬(ロ) 好投も、六回途中に打球を足に受けて降板。「後の投手に迷惑をかけてしまった。あそこは投げ切らないといけなかった」

 井口監督(ロ) 「打線はもう少しつなぐイメージでいってほしいなと思います。(明日は)勝つしかないんじゃないですか、はい」