全体練習わずか1日 日本、ゴールこじ開けた個の力 ベトナムに勝利

勝見壮史
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 サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選は11日、各地で第5戦があり、B組の日本(世界ランキング28位)はハノイでベトナム(98位)と対戦し、1―0で勝利した。日本は前半17分に伊東が先取点を決めた。追加点は奪えなかったが、そのまま逃げ切った。

 7大会連続の本大会出場を狙う日本は初の連勝で3勝2敗。ベトナムは5敗。サウジアラビア(49位)とオーストラリア(34位)は引き分け、サウジアラビアは4勝1分け、豪州は3勝1敗1分け。日本は16日(現地時間)に敵地マスカットでのオマーン(77位)戦に臨む。

 最終予選は12チームが2組に分かれ、各組上位2位までがW杯出場権を得る。3位同士の勝者が大陸間プレーオフに回る。

 試合のたびに集まる代表は、連係を高める時間が少ない。毎日同じメンバーで練習し、戦術を擦り合わせるクラブとは大違いだ。

 では、どうするか。FW浅野は言う。「一人ひとりが、自分のプレーを100%することが一番大事」。自陣に人数を割いたベトナムのゴールをこじ開けたのは、まさに個の力だった。

 前半17分だ。ハーフライン付近で、FW大迫が後方からの球を受けた。相手を抑えながらターンして、左前方へパス。FW南野が持ち込んでゴール前へつなぎ、決めたのはFW伊東。「良いボールがきたので、さわるだけだった」

 ポストプレー、正確なドリブルとパス、相手を追い越す抜群のスピード。それぞれが持ち味を発揮した速攻がゴールに結びついた。

 ただでさえ準備期間が短いのに、アクシデントも重なった。ベトナムはコロナ下で渡航制限が厳しく、入国便が限られた。欧州でプレーする選手の一部は10時間以上かかる日本を経由して現地へ。残りの欧州組は給油地ロシアでトラブルにあい、足止めを食らった。

 全員がそろった全体練習は、試合前日の1日だけ。快勝した10月の豪州戦の流れを大事にし、同じシステムで臨んだ。格下相手に球を支配しながら1得点は物足りないが、9、10月は落とした2連戦の初戦をようやくものにできた。

 機内に24時間ほど閉じ込められた主将のDF吉田は言っていた。「アクシデントは全て勝ってこそいい経験になったと思える」。また一つたくましくなった日本が、この最終予選で初めて、勝ち星を先行させた。(勝見壮史)