香港の新美術館、日本のすし店カウンターを展示 視覚文化を発信 

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広州=奥寺淳
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 香港で20世紀から21世紀にかけての世界の視覚文化(ビジュアルカルチャー)の作品などを主に展示する美術館「M+(エムプラス)」が開館し、12日から一般公開される。香港の文化的変化をとらえた展示のほか、日本で閉店したすし店のカウンターも移設されるなど、アジア初の世界の現代ビジュアルカルチャー美術館になるという。

 M+は、Museumの頭文字と、これまでの美術館にない価値の「+」を表した名前。総床面積が約6万5千平方メートルで、33のギャラリーの展示面積は約1万7千平方メートルある。北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」や東京のプラダ青山店などを手がけたスイスの建築家ユニット「ヘルツォーク&ド・ムーロン」が設計。西九竜地区の海岸沿いにできた新たなランドマークで、11日にメディアなどに公開された。

 コレクションは、絵画や彫刻にとどまらず、建築やデザイン、映像などを組み合わせている。元駐中国スイス大使のウリ・シグ氏が集めた中国現代美術のコレクション2千作品のうち約1500作品も展示される。

 また、東京・新橋駅近くにあったすし店「きよ友」が丸ごと移設された。世界的デザイナーとして知られる倉俣史朗氏が内装などを手がけ、経営難で閉店した後、M+が買い取った。

 一方、M+は中国政府の言論統制などを批判してきた芸術家艾未未(アイウェイウェイ)氏の作品のうち、所蔵する一部のみを展示した。民主化を求める学生を中国政府が武力弾圧した天安門事件に関する艾氏の作品は、反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法国安法)違反だとの批判が親中派から出ており、展示されなかった。

 香港政府の元政務長官でM+…

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