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ヤングケアラー調査が拡大、児童対象の県も 中高生は20人にひとり

畑山敦子
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 家族の世話や家事をする「ヤングケアラー」について、自治体による実態調査が広がりつつある。自治体の中には、国が昨年度実施した全国調査では対象外だった小学生を含めているところもある。地域ごとの実情把握に加えて、調査を通じて子どもたち自身がヤングケアラーについて知る機会になることを期待する声もある。

 国が昨年度実施した初の全国調査は、中高生が対象。およそ20人にひとりがヤングケアラーという結果が今年4月に公表された。

 静岡県は11月から12月にかけ、県内の国公私立の小中高校に通う小5から高3の全ての児童・生徒約25万5千人に家族を世話した経験の有無などを聞く調査をする。調査項目は国の実態調査を元にしている。より幅広い年代の状況を知るため、小学生も対象にした。

 県こども家庭課は「自由記述などから子どもの声を知り、市や町ごとの状況を把握して支援策の構築につなげたい」と話す。対象学年の全員に聞くことは「調査票にはヤングケアラーがどんな役割を担っているかの説明もあり、調査自体が普及啓発を含んでいる」と話す。来年3月までに公表する予定という。

 大分県も県内の国公私立の小中高の小5から高3まで約8万人を対象に調査している。調査票では、学校の先生やスクールカウンセラーらにヤングケアラーのことを相談できるとも紹介している。

 山梨県は7、8月に県内の国公私立に通う小6から高3の全員約5万3千人を対象に調査を実施。家族の世話をしていると答えた子はおよそ16人に1人という結果が出た。小学生は、約17人に1人がヤングケアラーだった。県は支援者や有識者でつくる「ヤングケアラー支援ネットワーク会議」を設置し、実態調査をふまえて支援策を検討していく。

 このほか、少なくとも北海道、大阪、愛知、熊本など11道府県と札幌、仙台、京都、さいたまなどの指定市が、小中高生や中高生などが対象の調査を今年度に実施済みか、これから実施する。

 自治体による調査は、埼玉県が国に先駆けて昨年、初めて県内の国公私立の高校2年約5万5千人を対象に実施し、およそ25人に1人がヤングケアラーという結果が出た。

 厚生労働省は来年度予算の概算要求で、実態調査をする自治体への補助事業を計上しており、調査に取り組む自治体は広がりそうだ。

 国は昨年度の中高生調査に続き、今年度は小学生と大学生の調査を進めている。畑山敦子