泣きながらかかってきた電話 作家・原田マハさんの「最良の読者」

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聞き手・三島あずさ
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 「楽園のカンヴァス」「キネマの神様」「総理の夫」などで知られるベストセラー作家の原田マハさんは、5年前に亡くなった父親について「破天荒で、どうしようもないけれど、憎めない人だった」といいます。いまも目の前にいつもあるという「おやじのせなか」について、語ってもらいました。

     ◇

 人生の楽しみや、大切にしていることのほとんど全てを、父に教えてもらいました。映画とギャンブル好きの破天荒なキャラクターでしたが、なんだか憎めない。小説「キネマの神様」の主人公は、そんな父をモデルにしました。

 好きなことにどこまでも忠実で、「自分が楽しむこと」を第一に置いていました。そして、これはいい、面白い、と思ったことはどんどん教えてくれる。父のおかげで、子どものころからたくさんの「疑似体験」をさせてもらいました。

せがんで買ってもらったポスターは

 とりわけ映画が好きでした。旧満州中国東北部)で過ごした子ども時代、日本人向けと中国人向けの映画館が分けられていたなか、父は初恋の相手だった中国人の女の子に喜んでもらいたくて、友だちから借りた制服を彼女に着せ、こっそり一緒に映画館に行ったことがあったそうです。10歳の頃だったのでしょうか。祖父に知られて怒られ、「なぜ中国人だからって映画を見ちゃいけないんだ。好きなことができないなんておかしい」と、世の中に非常に矛盾を感じたようです。そんなことも話してくれました。

 父が話す映画の話は、どんな…

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