建物に亀裂、水漏れも…「不可能建築」ザハ氏の遺作、祖国で工事難航

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バグダッド=伊藤喜之
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 東京五輪の会場となった新国立競技場の設計で幻の当初案を手がけた建築家ザハ・ハディド氏(1950~2016)。遺作となるビルが祖国イラクで建設中だ。しかし、亀裂や水漏れが見つかり、工事が大幅に遅れている。型にはまらないデザインから「不可能建築」と評されてきた彼女の作品。死後もその宿命は続くのか。(バグダッド=伊藤喜之)

 チグリス川のほとりに巨大なビルが天に向かって伸びている。イラクの首都バグダッド中心部、周囲には高層ビルがないため、ひときわ抜きんでて見える。

 大使館や国連施設などが集中するグリーンゾーンにもほど近い地区で建設が進むのは、2018年に着工されたイラク中央銀行の新本部ビルだ。

 完成すれば、37階建てで、高さ172メートルとなる。バグダッドには旧フセイン政権時代の建築で、かつて「サダムタワー」と呼ばれた高さ205メートルのバグダッドタワーがあるが、それに次ぐイラクで2番目に高い建築となる予定だ。

 ところが、今年9月、フェイスブック上に建物のコンクリートに亀裂や剝離(はくり)が生じたり、「金庫室」になる予定の地下室に水が流れ込み、浸水したりしている様子の動画が投稿された。

 対応に追われた建設プロジェ…

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