仏マクロン氏「原発回帰」鮮明 新設は脱・石炭の「強いメッセージ」
パリ=疋田多揚
フランスのマクロン大統領が、原子力発電を自国の電力供給と産業の柱に据える姿勢を鮮明にしている。9日には、国内で新たな原発の建設に踏み切る考えを表明。輸出をにらみ、最新技術の開発にも10億ユーロ(約1300億円)を投資する方針だ。
マクロン氏は9日の国民向けテレビ演説で、「数十年ぶりに原発の建設を再開する」と述べ、理由として2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標の達成や、ガソリンなどの燃料価格の高騰に対応する必要を挙げた。
マクロン氏はいつまでにいくつ造るかを明らかにしなかったが、仏メディアによると、最新型の欧州加圧水型炉「EPR」を6基建設する方向で、年内にも詳細を発表するという。
フランスはもともと、発電量の7割(19年)を原発に頼り、中国などでも建設を手がけた原発大国だ。だが、東京電力福島第一原発の事故後、オランド前大統領は原発への依存度を25年までに50%へ下げる目標を掲げた。
マクロン氏も当初は踏襲した…
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