「ヤングケアラー」情報提供した医療機関へ報酬 厚労省が方針
村井隼人
大人に代わって家族の家事や介護を担う子ども「ヤングケアラー」について、厚生労働省は医療機関がヤングケアラーを自治体の支援窓口などに連絡した場合に、診療報酬を加算する方針を固めた。医療機関からの情報提供を促して子どもたちが支援を受けやすくなるようにするねらいで、来年度からの実施をめざす。
厚労省は12日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)で案を示した。それによると、退院後に必要な支援へつなぐことを評価する現行の「入退院支援加算」を拡充する。介護を必要とする親などが入院したとき、病院が子どもがヤングケアラーだと把握し、支援窓口などに連絡した場合には診療報酬を受け取れるようにする。背景には、ヤングケアラーの認知度は低いため子ども自身が自分をヤングケアラーだと知らなかったり、周囲の大人が気づきにくかったりして、子どもが十分な支援を受けられなくなりがちな現状がある。
国が今年4月に公表した全国調査では、中学2年では約17人に1人(5・7%)。全日制高校2年では約24人に1人(4・1%)の割合で家族の世話をしていると回答した。中学2年で約5万5千人、高校2年で約4万2千人のヤングケアラーがいると推計される。(村井隼人)
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