米粉スイーツと古民家、大学生がイベント

奥平真也
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 【滋賀】米粉と古民家の組み合わせで日本の原風景を守る――。そんなユニークな理念のもと、立命館大学経済学部の寺脇拓教授(環境経済学)のゼミ生が20日と21日、JR大津駅近くにある古民家施設2カ所を借り、米粉スイーツを楽しむイベントを開く。「米の需要拡大」と「古民家保存」の両立の可能性を大学生たちが探る。

 ゼミの3回生22人が取り組む。イベント名は「こめこみんかふぇ」でカフェを出店する。会場は、大津百町スタジオ(御幸町)とテラマチベース(末広町)で、いずれも築100年前後の町屋を改装した施設だ。それぞれ建築会社や店舗、貸しスペースとなっており、道路を挟んで近接している。

 イベントは両日とも午前10時から午後4時。学生が作った米粉ワッフルを150~250円で販売し、コーヒーや紅茶を無料で提供する。同時に来店者にアンケートを実施。「米粉スイーツに幾らまでなら支払えるか」「米粉スイーツカフェを訪れるのに最大どれぐらいの時間を犠牲に出来るか」などを調べ、消費性向を分析する。

 学生らの調べによると、滋賀県内には米粉を使ったスイーツを扱う店、古民家カフェはそれぞれ何店舗もある。しかし、両者を兼ねた「米粉スイーツを売る古民家カフェ」は少数という。

 そこで、「和」の両者を組み合わせることで相乗効果を生むのではないか、という仮説を立てた。相乗効果で水田と古民家保全につながり、里山の間に水田が広がる「日本の原風景」を継承できるのではないかと考えたという。

 さらに学生らは、県内の米粉スイーツ店と古民家カフェを6店舗ずつ紹介するカラーパンフレットも作製した。計3千部を大津駅観光案内所などで配布。パンフにQRコードを掲載し、アンケートへの協力を呼びかけている。イベントの経費などを調達するため、クラウドファンディング(CF)も実施している。

 寺脇教授によると、今回の調査で、人々に米粉スイーツと古民家カフェの価値を問い、その大きさを金銭的に示すのが狙い。「学生らには、真剣に社会問題と向き合い切り込んでいくことによって、たとえそれが小さくとも、自分たちの力で社会を動かすことができるんだということを学んでほしい」と話している。

 問い合わせはメール(terawaki.lab@gmail.comメールする)で寺脇ゼミへ。(奥平真也)

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