生産者と購入者をつなぐ「やさいバス」、泉州地域から配送へ

西江拓矢
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 農産物の共同配送システムを手がける企業の「やさいバス」(静岡県牧之原市)と大阪府が、事業連携協定を結んだ。農産物の地産地消を進めるとともに、効率的な配送で温室効果ガスの削減にもつなげる狙い。同社は、11月下旬から堺市、和泉市など泉州地域から大阪市へ配送を始める予定。

 同社が拠点となる「バス停」を設ける。生産者は、飲食店などからインターネットで注文を受けると、「バス停」に農作物を持ち込む。路線バスのように冷蔵車の「やさいバス」が巡回して消費地の「バス停」に運び、購入者が受け取る仕組みだ。

 販売額の15%が手数料として差し引かれ、生産者側に支払われる。配送料は買い手が負担する。

 生産者は配送の手間とコストの削減で手取りを増やすことができ、購入者側は新鮮で質の良い農産物を入手できる。また、「バス停」に人が集うことで地域交流の拠点にもなるという。同社は2017年から静岡でサービスを始めて長野、愛知、広島などと全国に展開し、関西では大阪が初という。

 10月29日に府咲洲庁舎(大阪市住之江区)で締結式があった。協定により、販路拡大▽需給のマッチングによる食品ロス削減▽物流の最適化による流通コストの低減や脱炭素の取り組みの促進――などをめざす。

 同社の代表取締役、加藤百合子さんは「地産地消によって地域で価値を巡らせることが重要だが、これまでは物流に課題があった。みんなで作っていく仕組みなので、一緒になって大阪の農産物の価値を上げていければと思う」と意気込みを語った。大阪の特徴については、「農家と消費地が近いこと」を挙げ、また、「システムへの理解も早く、革新的な人が多い」と印象を述べた。

 府環境農林水産部の南部和人部長は「脱炭素社会と農業の成長産業化の両立を図れる」と期待を述べた。(西江拓矢)