裾の広がるeスポーツ 県が初の高校選手権を主催 部活にも広がる

佐々木凌
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 オンラインの対戦型ゲームで競うeスポーツを、部活動として採り入れる高校が茨城県内でも増えている。eスポーツの先進地をめざす県は、競技の裾野を広げようと、いばらき高校eスポーツ選手権を初めて開いた。

 7日にあった選手権の競技は、3人1組になって空飛ぶ車でサッカーをするゲーム「ロケットリーグ」で、8校10チームが参加した。新型コロナウイルス対策のため、高校生たちは自宅や学校からオンラインで参加した。

 「一瞬の隙を見逃しませんでしたね」。試合の様子は、水戸駅前のビルの一室から実況と解説付きでユーチューブで生配信された。14日にも、県主催の選手権のもう一つの競技として、シューティングゲーム「フォートナイト」の大会があり、同じように生配信される。

 2019年の茨城国体の文化プログラムでは、初めて都道府県対抗の大会が開かれた。県は県内企業が大会やイベントを開催するなど、eスポーツの市場をつくることをめざす。「そのためには、若い世代の競技人口を増やすことが不可欠と考え、高校生の大会を企画した」と産業政策課の小川悟・eスポーツ推進担当リーダーは語る。

 今年6月、県が県内の高校にアンケートしたところ、eスポーツの部活や同好会があると回答したのは14校にのぼった。

 導入する高校が増える背景には、教育的効果への期待がある。

 eスポーツの教材としての活用を支援している北米教育eスポーツ連盟日本本部によると、米国の高校生を対象にした研究の結果、eスポーツに取り組むことで自己の感情をコントロールし、相手に配慮したコミュニケーションを取る能力が向上するという効果が実証されたという。

 19年に県内で初めてeスポーツ競技部をつくった大洗高校では、現在も部員10人ほどが、週に2~3回、放課後にサッカーゲーム「ウイニングイレブン」を2時間練習する。顧問の秋元喬知(たかとも)教諭は「他の部活と同様、大会で勝つという目標に向けて課題を整理し、スケジュールを立てる能力が身につく」と期待する。

 7日の大会で優勝した水戸工業高校も、工業技術部の活動として部員の一部がeスポーツに取り組む。放課後に集まって、戦術や自分たちの弱点を話し合う。ただ、学校に機材はなく、帰宅してからオンラインで練習しているという。

 2年生の鈴木奏登(かなと)さん(17)は「自分がどこにいるかを伝えたり、味方がミスをしたときに励ましたり、声の掛け合いが大事なのは他のスポーツと同じ。いま攻めるべきか、守るべきかなど判断力も身についた」と言う。2年の川又淳矢さん(17)は「体は動かさないけど頭は使う。eスポーツもスポーツだと思う」と話した。(佐々木凌)

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