障害者施設で入所者3人に虐待 暴行や放置 宮崎県が立ち入り調査

平塚学
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 知的障害者らを受け入れている宮崎県国富町の障害者支援施設「エデンの園」(定員60人)で、職員が複数の入所者を虐待していたことが分かった。県などが立ち入り調査に乗り出し、入所者3人への暴力行為などを確認、施設側に改善を求めた。

 エデンの園は、知的障害者を受け入れる民間施設としては県内で最も長い歴史を持つ。運営する社会福祉法人「エデンの園」(広瀬恵理事長)は朝日新聞の取材に虐待行為があったことを認め、「入所者をお預かりする立場なのに申し訳ない」と話した。

 同法人などによると、虐待をしたのは40代の男性職員。「サブリーダー」と呼ばれる係長クラスで、勤務して約6年の中堅という。

 この職員は10月2日、施設内の廊下で入所者の60代男性の首をつかんで食堂に連れて行ったほか、入所者の40代男性を廊下の壁に押しつけて肩を2回ぶつけたり、左手で男性の体を抱え込んで脇腹や胸などを右拳で小突いたりしたとされる。同じ日の早朝には、部下の職員に適切な指示をせず、失禁した別の入所者をトイレに放置したという。法人は「入所者にけがはなかった」と説明している。

 行為の一部を目撃した別の職員の報告で発覚した。施設側は上司が廊下の防犯カメラで男性職員の行為を確認。県や被害者らが居住する2市に報告した。2市は立ち入り調査を実施。県も施設や両市の報告を踏まえて今月10日に立ち入り調査に入った。

 県障がい福祉課は防犯カメラの映像などを確認し、施設側に口頭で指導をした。担当者は「今後、どんな改善を求めるかを検討し、適切に指導していきたい」としている。

 法人は職員を10月25日付で戒告の懲戒処分にした。本人に聞き取り調査をしたところ、「友達感覚で無意識にやってしまった。申し訳ない」と話したという。施設内に虐待防止委員会を立ち上げるなどの改善策をとり、被害を受けた入所者の家族や家族会に謝罪したという。

 エデンの園は、キリスト教信者の障害者支援団体を土台とし、1978年に知的障害者更生施設として設立された。現在は、主に自宅での生活が難しい知的障害や視覚障害などを持つ人を受け入れている。

 法人の理事を兼ねる宇都宮知敬事務局長は「身内をかばうことなく職員が報告してくれて発覚した。同僚を指導する立場の職員として、あってはならない行為だった。指導と教育を徹底して再発防止に努めたい」と話した。(平塚学)