SBI、防衛策発動なら新生銀のTOB断念

細見るい、小出大貴
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 新生銀行に対し株式公開買い付け(TOB)をしているSBIホールディングスは12日、新生銀の買収防衛策が発動されれば、TOBを撤回すると表明した。SBIはその際、すでに20%を持つ新生銀株の完全売却も検討するとしている。株価下落を恐れる株主に防衛策に賛同しないよう訴える狙いもあるとみられる。

 TOBを実質無力化する買収防衛策の発動の是非は25日に開かれる、新生銀の臨時株主総会ではかられる。発動にはSBIを含む株主の過半数の賛成が必要で、新生銀とSBIの駆け引きが激しくなっている。

 SBIはこの日、国の機関で、新生銀の主要株主である預金保険機構(預保)から受けた質問書への回答を公表。買収防衛策は「経営者の保身目的」と改めて非難。株主に賛同しないよう求めた。

 また、機関投資家議決権行使の助言をする米大手2社が、TOBで取得する新生銀株を48%までと上限を設けている点を問題視していることについても反論。「新生銀の経営刷新を早急に図る」ため、TOBの手続きに時間をかけないために上限を設け、TOB後、過半数以上の株の取得も検討していくとした。

 一方、新生銀もこの日、預保の質問書に回答。株価の向上策について、消費者金融事業や投資案件の組成事業など「ノンバンク」分野を収益の中心とする戦略を「加速させる」とした。そのうえで市場への説明姿勢を強めて、株価を高めると回答した。

 新生銀の前身、日本長期信用銀行経営破綻(はたん)した際、公的資金が注入されたことで国は現在、預保と整理回収機構を通じて、新生銀株を約2割持つ主要株主になっている。株主総会で買収防衛策に関する議決権を行使するかどうか、国の動向も注目されている。(細見るい、小出大貴)