オリックス、意表つき25年ぶり日本S 中嶋監督「全員で勝った」

佐藤祐生
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 (12日、プロ野球 オリックス・バファローズ3―3千葉ロッテマリーンズ)

 25年ぶりの日本シリーズ進出を決めたのは、今季打率1割未満、守備固めと代走要員の控え選手だった。

 1点を追う九回。オリックスはT―岡田、安達了一の連打で無死一、二塁。八回から守備固めで左翼に入った小田裕也が、「いろんなケースがあるから」と中嶋聡監督に打席に送り出された。

 送りバントの心づもりだったが、ロッテの野手陣がマウンドで話し合っている間に、「こういう場面なら……、こうシフトを敷いてきたら」と考えを巡らせた。いざ、サインを見るとバスター。頭の整理はできていた。バントの構えから、初球の直球をたたくと打球は右翼線へ。相手の意表をつく、適時二塁打となった。

 今季のオリックスを象徴する劇的なCS突破だった。首位打者吉田正尚だけのチームではない。大ブレークした杉本裕太郎ら上位打線だけでなく、下位を担う若月健矢や9月7日にサヨナラ打を放った大下誠一郎ら、日替わりでヒーローが誕生してきた。大役を果たした小田は「控えでも、与えられた場面で与えられた仕事ができれば貢献できる。最高ですね」と笑った。

 中嶋監督は今季最多の1万8006人が入った客席に向けて言った。「みなさんが持っている『全員で勝つ』というタオルのごとくできてよかったです」。どんな状況でも全員が諦めず、勝ちに向かっていけるチーム。日本シリーズでも容易に負ける姿は想像できない。(佐藤祐生)

宗、千金2ラン

 オリックスの宗が値千金の2ランを放った。0―1で迎えた六回1死一塁、初球のフォークを右翼席へ放り込んだ。「後ろに良い打者がたくさんいる。つなげばいいと積極的にいった」。外野手登録ながら今季は主に三塁手でプレーし、2番打者として定着。レギュラーシーズン139試合に出場し、131安打、42打点、打率2割7分2厘といずれもキャリアハイの成績を残した。この日のように勝負強さもあるが、意識はあくまで「つなぎ役」。「ここまできたら何が何でも日本一になってやるという気持ち。良い戦いをしたい」

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 杉本(オ) CS最終SのMVP。「2戦目だけ打てて、第1戦と3戦は何もしてない。日本シリーズでは全試合で勝ちに貢献できるようにしたい」

 バルガス(オ) 左脇腹の筋損傷から2カ月ぶりに復帰。2イニングを完璧に抑える。「チームの勝利に貢献できて幸せ。次もしっかり準備したい」