米司法省は12日、連邦大陪審がトランプ前政権のスティーブン・バノン元大統領首席戦略官を議会侮辱罪で起訴したと発表した。1月6日に起こった米連邦議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会がバノン氏に事件のカギを握る人物として証言を求める召喚状を出していたが、出席を拒否。下院がバノン氏を刑事告訴していた。
バノン氏は事件前日、自身のポッドキャストの番組で「我々は明日、まさに攻撃の時を迎える。波乱を覚悟しろ。明日はゲームデーだ」などと事件発生を予告。下院特別委員会は、バノン氏が昨年11月の米大統領選の結果のくつがえしを狙う「不正選挙」キャンペーンの核心を知る人物とみて出席を求めたが、同氏が拒否して証言を得られなかった。
民主党が主導する下院特別委員会が狙うのは、バノン氏の起訴により、同じく議会証言を求めているほかのトランプ政権元高官の協力を促すことだ。同委員会は、メドウズ元大統領首席補佐官やトランプ陣営のミラー元顧問ら少なくとも20人のトランプ氏周辺に召喚状を出したが、トランプ前大統領が、情報開示を拒否できる「大統領特権」を理由に証言に応じないように求めているため応じていない。バノン氏は裁判で有罪が確定すれば、最長で1年の禁錮刑が科される可能性がある。
バノン氏は事件後、米メディ…