ATMの方から話し声、女性は送金寸前 郵便局員「その電話怪しい」

松島研人
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 還付金詐欺の被害を防いだとして、愛知県警中村署は12日、名古屋烏森郵便局(名古屋市中村区)の牧村律子さん(49)に感謝状を贈った。被害に遭いそうになった女性も、贈呈式に同席した。当時を振り返り、「電話の相手をつい信用してしまった。大事なお金が取られなくてよかった」と話した。

 女性のもとに電話がかかってきたのは9月29日の午後5時ごろ。区役所の健康保険課を名乗る30代くらいの男の声で、「約2万円の還付金がある。期限は過ぎているが、まだ手続きができる」と言われた。女性は言われるがままキャッシュカードや通帳、印鑑を持って郵便局へ走った。同居する夫も、女性の様子を不審に思い郵便局に向かったという。

 郵便局に着くと、男がATMの操作のしかたを電話で伝えてきた。言われたとおりに進めていくと、画面に大きく「送金」の文字が表示された。

 女性は「私が受け取るものなのに、どうして送金するの?」と思った。電話口からは「送金ボタンを押してください。早く押して」と男の声が何度も聞こえた。

 ちょうどそのころ、ATMコーナーから話し声がするのに気づいた牧村さんが防犯カメラを確認すると、電話をしながらATMを操作している女性に気づいた。声をかけると、近くにいた夫が「還付金がもらえると言われて……」。画面を見ると、送金ボタンを押す寸前だった。

 「その電話あやしいです」「操作をいったん止めて、お話を聞かせて」

 そう説得していると、牧村さんの声が聞こえたのか、電話は一方的に切れたという。

 牧村さんは「還付金詐欺が増えているのは知っていた。今後も、おかしいと思ったら積極的に声をかけたい」。女性は「私みたいにだまされてしまう人は、ほかにもいるはず。声をかけてもらえたら、踏みとどまるきっかけになる」と話した。(松島研人)