持ち帰り容器を飲食店間で共有 鎌倉で実証実験

織井優佳
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 【神奈川】今や食事の選択肢の一つに定着したテイクアウト。ただ、食後に容器を捨てる時、心がちくりと痛む……。そんな人に向けて、飲食店間で持ち帰り用の容器を共有する新サービス「メグルー」の実証実験が、12月まで鎌倉で行われている。鎌倉駅周辺の飲食店5店舗が、ゴミの削減と便利さの両立に挑戦中だ。

 メグルーが使うのは、オランダ製の丈夫なプラスチック容器。密封できるふたはシンプルな構造で清潔を保ちやすく、軽い本体は保温性が高い。業務用食洗機で繰り返し洗え、ふたを外せば電子レンジも使える。

 サービスを始めた神奈川県鎌倉市のベンチャー企業「カマン」の善積真吾社長(41)は「バイオマスプラスチックなども検討したが耐久性、耐熱性でプラスチックに劣る。問題なのはプラスチックではなく、プラスチックの使い捨てです」と話す。

 この容器で料理を持ち帰り、食後は参加するどの店に返却してもいい。駅周辺に数カ所ある24時間返却ボックスも利用できる。持ち出し時と返却時にLINE登録するので各店にある容器の数が常時把握でき、偏ればすぐに配置し直せる。

 店側は1食当たり50~100円かかる使い捨て容器代を削減でき、出前のように器を回収する人手が不要。利用者はゴミを増やす罪悪感なく、使い捨てと同様の手軽さで店の味を楽しむことができる。

 開始からの2週間で約100食利用された。「仕事中にテイクアウトし、おいしくてゴミも出なくてすっきり」と喜ぶリピーターもいた。店からも「使い捨て容器代は安くないし、環境に良くないこともわかっていた」と賛同の声が届く。

 一方で、直径15センチほどの丸形容器には、「小さなおかずもあれこれ入れたい」「料理の品格を保つには四角い方がいい」などと店側から注文がついた。

 利用者に費用負担はなく、試行期間中は店舗の利用料も無料。年明けからの本格始動では、こうした声を反映して使い勝手を改善し、参加店や返却ボックスの設置場所も増やし、店から容器代より安い程度の利用料を徴収予定という。

 東京都内の大手電機メーカーに勤務していた善積さんは昨春、コロナ禍で苦しむ飲食店を応援しようと、インターネット上に鎌倉のテイクアウト店マップを作った。その時に、利用者から「容器持ち込みに対応可能かどうかも掲載を」という声が多く寄せられ、「鎌倉の人たちの環境意識の高さに驚いた」。特色あるこの町で、地域に特化した新規事業を創出しようと昨年11月、独立・創業した。

 飲食店間で効率よく容器を共有するため、自転車で各店を巡回できる程度の範囲内のサービスを考えている。鎌倉周辺で加盟店舗を広げながら、軌道に乗れば、横浜などのエリアにも順次広げたいという。メグルーの詳細は公式サイト(https://megloo.jp/別ウインドウで開きます)で。(織井優佳)