サイバー攻撃対策に本腰 山梨県警 競技会や企業と連携

平山亜理
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 サイバー攻撃や犯罪に備えるため、山梨県警が対策に本腰を入れている。警察官のスキルアップをめざす競技会、インフラ事業者らとの情報共有……。急速に進む社会のデジタル化のもと、捜査・防犯の現場でもネット空間の脅威とリスクの軽減に向けた取り組みが加速している。

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 県警が組織内で本格化させているのが、現場の警察官の知識とスキルのレベルアップだ。

 甲斐市の県警察学校で12日に開かれたサイバーセキュリティーの競技会。今回で2回目となる取り組みには36人が参加し、県警本部の刑事部や総務部など6チーム、全警察署の12チームの計18チームが午前と午後に分かれて競った。

 2人一組で優勝をめざしつつ、個人の得点も評価する方式。「サイバー攻撃や犯罪はいつ起きるか分からない。どんなときでも対処できるように技術を身につけておく」という目的のもと、交番や刑事、警察学校の教官らさまざまな担務の警察官が机上のパソコンと向き合った。

 設問は36問で、制限時間は2時間半。ホームページの改ざん被害を想定した設問では、サーバーのアクセスログの確認や攻撃者のIPアドレス、攻撃者が侵入した時期や時間について問う文言がモニター画面に表示された。また、金融機関などを装って個人情報を入力させ盗み取る「フィッシングサイト」を題材に、不審なサイトのURL(ウェブページのアドレス)を突き止めさせる設問も用意されていた。

 競技前、「サイバー空間の脅威は深刻な情勢だ」とはっぱをかけた大窪雅彦・県警本部長。リアルタイムで成績が表示され、どのチームが高得点を出しているかが分かる中、参加者は真剣な表情で設問を解いていった。

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 コロナ禍でテレワークの導入が進んだ一方、企業がサイバー攻撃や犯罪にさらされるリスクも増す。

 富士川町の「道の駅富士川」にある防災ステーションでは11日、県警生活安全部や鰍沢署、銀行、病院などの担当者らが集い、情報の共有会議を開催。鰍沢署では7月に続く2回目の取り組みで、この日は生活安全部の担当者がサイバー攻撃に巻き込まれる事例や防御策を具体的に語った。

 鰍沢署の管内には半導体メーカーもあり、先端技術が狙われる危険性がある。同署の担当者は資金や人員の面で対策が手薄になりがちな中小企業を念頭に「危機意識を持ってほしい」と指摘する。

 そのうえで、今後は警察と企業との間でネットワークを構築することで連携を強め、有事の情報共有や速やかな対応につなげていきたいという。平山亜理