検索したら…半顔でヒット 顔認識に規制の動き 30億枚収集の例も

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西村宏治 サンフランシスコ=五十嵐大介
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 画像から顔の特徴をつかみ、個人を特定する「顔認識」技術の利用拡大に規制をかける動きが世界で出てきている。簡単に個人が識別できる半面、本人の知らないところで監視に使われ、プライバシーを侵すリスクもある。懸念の高まりは、膨大な情報を保有する巨大IT大手にも対応を迫っている。

画像の削除を命令

 豪州のプライバシー保護当局、情報コミッショナー事務局(OAIC)は3日、米国のITベンチャー企業「クリアビューAI」による顔画像の収集がプライバシーを侵害する違法行為と結論づけたと発表した。10月14日付で、豪州の個人から集めた画像の削除などを命じたという。

 OAICによると、同社はSNSなどに公開された顔画像を自動で収集して30億枚以上の画像からなるデータベースを構築。顔認識システムに特定の人物の画像を入力すると、データベースから同一人物と判断された顔画像が浮かび上がるサービスを提供している。

 豪州では2019年10月から20年3月にかけて、警察がクリアビュー社のシステムを試験運用した。実際に捜査中の事件で、容疑者や被害者の特定のために使ってみたケースもあったという。同社のサイトによると収集画像は100億枚にのぼり、システムは米国の警察など法執行機関でも使われている。

 しかし、OAICは声明で、SNS利用者は自分の顔写真が同意もないまま個人の特定のために企業に収集されるとは考えていないことや、データベースに登録された個人が誤認される可能性を問題視。「顔画像の無差別な収集は、監視されていると考えてしまう全ての豪州人の自由に悪影響を与える」と指摘した。

 豪メディアなどによると、同社は異議を申し立てる方針とみられる。収集した顔画像は個人情報ではないと主張しているという。

 豪州当局は昨年3月から、英国のプライバシー当局にあたる情報コミッショナー事務局(ICO)と合同で調査を実施。顔画像の取得についての同意の手続きが十分ではないことなどから、プライバシー侵害にあたると判断した。ただ、削除対象の画像が何枚あるかは明らかにしていない。

 クリアビュー社については、これまでも各国のデータ保護・監督の機関が事業を問題視してきた。

 今年1月にはドイツ・ハンブ…

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