「ユニークな夢」と笑われても 台風制御の研究者はあきらめない

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竹野内崇宏
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■台風を制御する計画に挑む気象学者 筆保弘徳(ふでやす・ひろのり)さん(46)

 巨大なものなら全世界の消費量数カ月分に相当するエネルギーを持つ台風。今世紀半ばまでに制御して被害をゼロにし、発電にも利用する――。

 そんな夢のような計画に挑もうと、横浜国立大学に10月に新設された台風科学技術研究センターのトップに就任した。

 「台風にやられっぱなしのまま放っておくことは、未来の子どもたちへの罪」と言い切る。

 暴風雨による建物被害のリアルタイム予測など、台風分野のトップ研究者の一人だ。自身の進路が台風で一変した一人でもある。

 地元岡山の大学院に通っていた1998年、県を直撃した台風で気圧が突然急降下する珍しい現象を偶然観測。県の表彰を受け、興味の薄かった台風研究にのめりこんだ。

 ただ、その台風では祖父宅の田畑も被害に遭い、岡山県内で犠牲者も出た。暴風雨で被災した人たちが立ち尽くす姿を見るたび、「進路が予測できても、外れろと祈ることしかできない。論文だけじゃ役に立てない」と悩んだ。

 気象学者にできる手法として思いを託したのが「台風制御」だ。

 ドライアイスで熱を奪うなど、米国が70年ごろまで盛んに実験したが、効果が確実に証明できないうちに、研究は勢いを失った。

 実は日本でも一時検討され…

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