【21年九州場所2日目】結びの大熱戦、思わず興奮「よく残った!」

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鈴木健輔
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 横綱照ノ富士は先場所で金星を配給した平幕大栄翔の攻めをしのぎ切り、2連勝スタートとなった。大関陣は、貴景勝が平幕阿武咲に完勝し、正代は相性の悪い小結逸ノ城を退けた。新小結霧馬山は2連敗。7場所ぶりに幕内へ復帰した松鳳山が白星を挙げた。

八角理事長がその日の相撲を語る「理事長が見た!」 、力士らの取組後の声を届ける「支度部屋から」など…デジタル限定のコンテンツを含めた記事や、豊富な写真を連日報じていきます。

(東西トーザイ)馬力が違う、今場所の貴景勝 なぜか強い11月の場所

 ごつっ。

 頭同士がぶつかる鈍い衝撃音の直後、貴景勝の両手突きが重かった。体が起きた阿武咲を下から攻め続け、土俵下まで転がした。

 初日から3連敗だった先場所と対照的な連勝スタート。「暑いより寒い方がいい」と言うが、確かにこの季節は成績がいい。

 十両優勝1度、幕内優勝2度を手にしたのはいずれも11月場所。東京開催だった昨年は、優勝決定戦で照ノ富士を倒した。

 1年前、白鵬を追うのはどちらかと期待された2人の立ち位置は、大きく変わってしまった。

 大けがから復活した照ノ富士は一気に最高位を射止め、引退した白鵬から「バトン」を託された。貴景勝は今年、2度のカド番を味わった。

 だが、何も得ていないわけではない。

 7月の名古屋場所で首を負傷した貴景勝は翌秋場所、周囲の心配をよそに出場に踏み切った。持ち味の馬力が影を潜め、初日から3連敗。それでも頭からぶつかる相撲を貫き、かろうじて大関の地位を守った。

 この経験を、八角理事長(元横綱北勝海)は「大きい」とみる。さらに2カ月をへた今場所、以前のような圧力が徐々に戻りつつあるようだ。

 白鵬がいなくなって最初の本場所。横綱照ノ富士は相変わらず強いが、「自分は自分。他は関係ない」と貴景勝。相性の良い季節に、自信を取り戻せるか。(鈴木健輔)

横綱はあわてない 照ノ富士が2連勝発進

 照ノ富士は上体を起こされ、両足が俵にかかった。大栄翔の圧力に押し込まれ、明らかに劣勢だった。それでも「自分の相撲を取りきることしか考えていなかった」。慌てない。「(自分に)余裕がないと落ち着いて相撲は取れないから」。俵をつたいながら、右からすくって力でねじ伏せた。

(理事長が見た!)熱戦の結びに隠せぬ興奮 「よく残った」と横綱たたえる

 2日目の八角理事長は1横綱、2大関がそろって白星を挙げて安堵(あんど)の様子だった。

 まずは初日に黒星スタートとなった大関正代について語った。206キロの巨漢、小結逸ノ城との対戦に、取組前は「合口(相性の善し悪し)はどうなの? 対戦成績は逸ノ城の10勝3敗か」と心配そうだった。

 だが、右を差して左をおっつけながら出る大関の快勝に言葉も弾んでくる。「きょうは考えた。強引に2本差すんじゃあなくて、うまく動かした。大きい人は下がると余計に力が出なくなる。うまくいなした。反応も良かったんじゃあないか。ひとつ勝つと、気持ちが違ってくるから」

 熊本県出身の正代。今場所は、相撲界では「ご当所」と言われる九州出身だ。土俵入りでも拍手が多い。「九州出身だけに頑張って欲しいか」との問いには、「もちろん、横綱、大関にはいつも頑張ってほしい。九州だから、というのではなく」と注文もつけた。

 続いた貴景勝の圧勝にはご満悦だ。

 「押せるという自信だね。先…

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