米中オンライン首脳会談始まる 気候変動など話し合う見通し

ワシントン=園田耕司、北京=高田正幸
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 バイデン米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席の初のオンライン形式の首脳会談が15日夜(日本時間16日午前)、始まった。両首脳は気候変動問題など米中両国が協力できる分野について話し合うほか、両国間の競争を責任をもって管理する重要性について協議する見通しだ。バイデン氏はまた、中国が軍事的圧力を強める台湾などの問題について懸念を表明する構えだ。

 バイデン氏は冒頭、「米中間の競争が紛争にならないようにすることが、両国の指導者である我々の責任だ」と指摘。気候変動などの世界規模の課題をめぐって「我々は、共通認識のもとでのガードレールが必要だ」と語った。さらに今回の首脳会談では、米国が懸念している人権問題、経済、「自由で開かれたインド太平洋」についても議題になると述べた。

 一方、国営新華社通信によると、習氏は会談で「気候変動や新型コロナウイルスの流行など地球的課題に対応するには、健全で安定した中米関係が必要だ」と強調。「大統領と協力して共通認識を形成し、中米関係を前向きな発展に導いていきたい」と語った。

 両首脳は1月のバイデン政権発足後、2月と9月の2回電話協議をしているが、オンライン形式の会談は初めて。バイデン政権は中国との競争が紛争へと発展しないために、両首脳間で意思疎通を図るチャンネルを構築し、両国間の競争が責任をもって管理される仕組みを作りたい考えだ。

 サキ米大統領報道官は15日の記者会見で、「大統領は中国のいくつかの行為について米側の懸念を表明し、利益が一致する点について議論する」と指摘。米政権高官によれば、バイデン氏は会談で、新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題や台湾問題などについて懸念を表明するという。

 両国が最も激しく対立している台湾問題をめぐっては、首脳会談の前さばきとして行われたブリンケン米国務長官と中国の王毅外相の会談でも、お互いが主張を展開。今回の首脳会談は、両首脳の直接対話で米中関係の一部緊張緩和につながる可能性があるものの、経済・安全保障をめぐる両国の根本的な対立構造が解消される可能性は極めて低い。(ワシントン=園田耕司、北京=高田正幸)