貴重な干潟横にLNG発電計画 気候変動対策と生物多様性の調整課題

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杉浦奈実
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 希少な生物が多くすむ広島県竹原市の「ハチの干潟」の隣に、LNG(液化天然ガス)火力発電所と、LNG貯蔵施設の建設計画が持ち上がった。国内外の生物研究者から懸念の声が寄せられている。石炭火力より二酸化炭素(CO2)排出量が少ないとはいえ、LNGは気候変動につながる化石燃料でもある。

 発電所の建設を予定する事業者は「JBGエナジー」(東京都)。予定地は竹原市の海沿いの約7ヘクタールで、海外からLNGを運んでくる船をつけるため、海の上に長さ400メートルの固定式桟橋や、LNGをためる浮体式の貯蔵設備も設けるとしている。県はこういった施設の建設や船の航行について、安全性などを審査している。

 発電所の出力は約7万4千キロワットの予定だ。県によると、条例で環境影響評価の実施が義務づけられているのは7万5千キロワットからで、今回は対象にならない。国の基準でも同様だ。

 JBGエナジーの広報を担う会社は朝日新聞の取材に「環境への影響に関する諸項目に対して、環境基本法、国内関係法令および広島県、竹原市の関係条例を遵守(じゅんしゅ)してきました。また、今後も最大限、地域住民へ配慮し、環境保全に努め事業を推進いたします」とコメントを出した。

 計画に対し、国内外の研究者は、建設されれば生物への影響が大きい可能性があると懸念を示している。7~9月にかけてカブトガニやゴカイ類の研究者、日本貝類学会多様性保全委員会や日本魚類学会など国内の五つの学術組織、国際自然保護連合(IUCN)カブトガニ専門家グループが要望書を出した。

 事業者に対して生態系への影響を調べるための環境影響評価をすることや、その結果によっては計画の変更や中止を要請。日本魚類学会などは環境省や県、市に対して、JBGエナジーへの指導も求めた。

 研究者らが強調するのは絶滅…

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