NHK北海道「苦肉の」ローカル枠再編案 気になる公共性のかたちは

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論説委員・田玉恵美
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記者コラム「多事奏論」拡大版 田玉恵美

 あのときばかりは、NHKを見ていてもらちがあかないと思った。2年前、長野県の実家で台風19号に遭った際のことだ。

 すぐ近くの千曲川で堤防が決壊しそうになり、我が家にも避難指示が出た。本当に決壊してしまうのか。家にはいつ帰れるのか。それを知りたいのに、現場の様子がわからない。避難した先でNHKを見ると、すでに被害が出ている地域を中心に全国各地の状況を広く伝えるので、まだ決壊の「おそれ」にとどまる我が街の情報はほとんどなかった。

 頼りになったのは、地元のケーブルテレビだ。近くのホテル屋上に急きょ社員を派遣して据えたというカメラで、壊れそうな堤防をただ無言で映しているだけなのだが、これが抜群に役立った。川の流れの勢いや、水位が上下する様子がリアルタイムで手に取るようにわかったからだ(なんとか堤防は持ちこたえてくれた)。

 同じことをNHKにやってほしいとは思わないし、そこまでやるのは無理だろう。いまはいろいろなメディアがあるし、行政や市民が自ら発信することもできる。では、そんな時代に公共放送が地域で果たすべき役割はなんだろう。そんなことを考えたのは、北海道から気になる話が聞こえてきたからだ。

 来春、NHKが道内でローカ…

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