習氏の笑顔の裏にある深い失望 米中関係、共存が無理なら「闘争」も
中国総局長=林望
米中首脳会談/記者解説
米バイデン大統領の就任以来、米中首脳がオンラインながら初めて顔を合わせた。関係改善への意欲も示した中国の習近平(シーチンピン)国家主席だが、米国への不信は根深い。新たな時代の両国関係を「競争」と定義することへのアレルギーは強く、険しい局面の出口は遠いままだ。
双方の発表によると、習氏とバイデン氏は会談の冒頭、互いに右手を上げ、笑顔を振りまいた。
「中米は互いに尊重して平和共存し、協力してウィンウィンを目指さねばならない」
国営新華社通信によると、習氏は冒頭、これまで米国に繰り返し求めてきた立場を強調した。
3時間半に及んだ会談を、中国外務省は「建設的、生産的な会談で、中米関係に対する前向きな期待を高めた」と評価。緊張関係の中でも、グローバルな課題で手を携えることができるとアピールした。
習氏、米国に連携呼びかけ
しかし、米中の緊張は1度の首脳会談で氷解するような状態にはない。
この日も台湾問題をめぐり…