首脳会談したけど…米中の関係改善、バイデン氏が消極的な二つの理由

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ワシントン=園田耕司
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米中首脳会談/記者解説

 15日夜、米ホワイトハウス内の会議室「ルーズベルト・ルーム」。バイデン米大統領の座る机の横に設置されたテレビの画面には、中国の習近平(シーチンピン)国家主席の姿が映し出されていた。

 代表取材団に公開された会議の冒頭、バイデン氏は習氏に向かって右手を上げ、にこやかに笑顔を見せた。しかし、その後は手元に置いた分厚いファイルに目を落としながら、「米中間の競争を衝突へと変えないことが、米中両国のリーダーである我々の責任だ」などと読み上げ、慎重に言葉遣いを選んでいる様子がうかがえた。

 米ホワイトハウスによれば、バイデン氏は首脳会談で、米中間の競争が衝突へと発展しないように、両首脳が競争を責任をもって管理する重要性を提唱した。一方、最大の懸案である台湾情勢については「一方的な現状変更や台湾海峡の平和と安定を損なう試みに強く反対する」との意向を示したうえ、新疆ウイグル自治区や香港での人権弾圧にも懸念を表明。首脳会談においても、最近の米中対立のありようが際立つ結果となったともいえる。

 とはいえ、両首脳がオンライン形式であっても、直接対面して意見を交わし、米中関係の緊張緩和に向けて取り組んだ点については評価されて良いだろう。バイデン政権は、中国を「21世紀最大の地政学上の試練」と位置づけ、トランプ前政権から継承した競争政策を加速。米中関係が悪化の一途をたどったことから、両国間の偶発的衝突を防ぐため、両首脳の意思疎通のチャンネルを構築する機会を模索していた。

 ただし、バイデン政権は中国との競争をやめるつもりは毛頭なく、今回の首脳会談によって経済・安全保障をめぐる米中間の構造的対立が解消されることはない。とくに、バイデン政権を中国との根本的な関係改善に消極的にさせる二つの事情がある。

 一つ目は、台湾の防空識別圏

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