メタン削減 宇宙の「目」がサポート COP26で注目の監視技術

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英グラスゴー=合田禄
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 温室効果ガスとして二酸化炭素の数十倍の影響があるメタン。10月末から英国で開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、世界的な排出量を削減する目標に100カ国以上が賛同した。宇宙からの観測技術の進歩で、排出源を詳しく特定できるようになってきたことが背景にある。(英グラスゴー=合田禄)

 COP26の会場の一角に設けられた「メタン・パビリオン」。宇宙関連企業の幹部4人が、人工衛星を使った最新のメタン監視技術を紹介した。

 「私たちは昨年、石油や天然ガスの関連施設からのメタン発生が劇的に増えたのを目撃した」

 カナダを拠点に人工衛星を使った温室効果ガスの監視データを提供する会社「GHGSat」のステファン・ジャーメイン社長は語った。

 同社は2016年に最初の人工衛星を打ち上げ、昨年に2機を追加。公開情報も使って、温室効果ガスの排出量を分析し、企業や政府にデータを提供している。この技術では施設からメタンが排出され、風に流されていく様子が画像にくっきりと浮かび上がる。今年10月末にはカザフスタン露天掘りの炭鉱から大量にメタンが発生していることを宇宙からの観測で突き止めたと発表した。23年末には人工衛星を10機ほどに増やし、より高頻度に観測できるようにする。

 ジャーメイン氏は「(メタンの排出削減で)いま難しい点はもうロケットやAIの開発ではない。(政府や企業が)行動するという点だ」と力を込めた。

 フランスのデータ分析会社「Kayrros(ケイロス)」も人工衛星画像を使ってメタンを排出する場所を特定する技術を持っている。アントワーヌ・ロスタン社長は「科学はすでに準備が整っていて、我々は事実を見始めている。(メタンを排出している)工場の操業者に圧力をかけないといけない」と語る。

 こうした観測技術の発展は、世界の気候変動対策にも影響を与えている。これまで難しかったメタンの排出源を特定できれば、具体的な対策に取り組めるだけでなく、違法な排出などの監視にもつながる。

 米国の環境NGO「EDF」…

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